iCharlotteblueの備忘録(新)

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映画『インターステラー』を観たよ。

良い話だった。
予告の「感動の親子愛」というあおりだけなら絶対見に行かなかっただろう。予告編も知らず、宮沢章夫さんにすすめられたので見に行った。私は長い映画が嫌いだが、この映画は長いのに、長さを全く感じなかった。古き良きハードSFという感じで楽しかった。
ロボットが最高だった。私の大好きなロボットがそこにいた。
こういうロボットがもっと増えて欲しい。本当に最高だった。

劇的な環境変化によって、地球の寿命は尽きかけていた。生きて帰れるか分からない、重大な使命を担う壮大な旅に選ばれたのは、まだ幼い子供を持つ元エンジニアの男と数少ないクルーのみ。彼らは、居住可能な新たな惑星を探す為、前人未到の未開の地へと旅立つ。人類の限界を超える不可能にも思える史上最大のミッション。果たして彼らは、自らの使命を全うし、愛する家族の元へと生還することが出来るのか!?

以降、結末に触れます。
でもストーリーの説明はほぼしていません。
支離滅裂な感想です。







大戦後の食糧難で世界は農業中心社会に。
高度な科学発達は戦争をもたらしたと、忌諱されている社会観。元エンジニアの主人公は反発する。
風俗は古き良きアメリカで、広大な農地に昔ながらの家が建つ。
砂だらけの屋内は開拓時代を連想する。

主人公は妻の父と子供二人と住む父親。妻は病気で死んだ。

時間を物理的に移動できる高次元(五次元人とも呼ぼうか)な「彼ら」は人類にワームホールをプレゼント。そこから別の銀河に行って別の星を見つけてね、ということか?と学者たちは極秘に計画し壮大な旅に出る。
娘が「何者か」に啓示を受け、干渉されたことにより、元宇宙飛行士現農夫兼エンジニアの主人公は極秘の任務を知り宇宙へ飛び立つが、その何者かは未来の自分自身であったというオチである。
この未来からの干渉、タイムループ物というのは、じゃあそもそもの始まりはなにか?と考えがちであるが、未来の五次元人な人類が干渉装置をつくり、主人公を装置に導くというからくりなので、非常にすっきりする。


3次元人の世界では時間は伸びたり縮んだりはするけど過去には戻れない。時間は流れるもの。だからタイムパラドックスとか考えちゃうけど、五次元人にとっては「過去に干渉したら未来が変わる」なんて起こり得ない。三次元人にとってはAの後にBが起こってCが起こるとすればAの時点でCは存在しないし存在するかどうかわからないけれど、5次元人にとってはAもBもCも同時に起こっている。3次元人にとってA地点B地点C地点が同時に存在するようなものだと思っている。
同時に存在するというのも比喩表現だけど、とにかく全て同時に起こって同時に決定されているので、矛盾など起こり得ないという解釈を私はしている。人類が5次元人になった時点で、そういう認識ができるようになっただけで、人類が5次元人になった時点で5次元空間が生まれたわけではない。そんな感じ。特異点が特異ではなくなった、みたいな。全部フィーリング。

予告編にも出ていたシーンで愛は時空を超えねえよプゲラッチョwと思ってしまった。
しかし、イノベーションを得て人類は時空を超える。
進化バンザイ!!
そういえば全然人間ドラマに触れていないが、そこも面白かった。
2001年宇宙の旅」ではみんな淡々としてたけど、こっちは感情豊かな人間がいっぱいだ。

代えがたい知識と技術があり任務遂行に必要な人員を失い、更に貴重なデータが得られなかった と
代えがたい知識と技術があり任務遂行に必要な人員は失わなかったが貴重なデータが得られなかった は
明らかに後者のほうがましだが、感情的になり適切なリスク判断が出来なかったヒロイン。
主人公の言う「サバイバル術」は適切なリスク判断のことを指すのだろう。主人公はそれをよく心得ていた。

また。主人公家族。
賢く頑固な娘、勉強はそこそこで聞き分けのいい息子。
よき祖父。

この息子が17、8で父親(主人公)が帰らない旅に出る。
この社会での当然の職業、農夫になる。祖父の畑を継ぎ、父親の「家族を頼む」という言葉を必死に守る。結婚し、子供を設ける。しかし第一子は幼くして死んでしまう。祖父も死ぬ。
(これらは主人公へのビデオ・メッセージで明らかになる。相対性理論によって主人公と地球の家族の時間の流れは異なる)
息子は古きよきアメリカの家父長なロールモデルをなぞろうと必死になり、妻と第二子よりも、家長としての沽券を守ることに必死になってしまう。父の不在を感じるエピソードである。
あのかわいい息子がこんなふうになってしまうなんて、と切なかった。

とにかく、面白かったです。