iCharlotteblueの備忘録(新)

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NHK ニッポン戦後サブカルチャー史 再放送決定!

NHK|ニッポン戦後サブカルチャー史

年末年始に再放送が決定しました。



12/30〜1/4 の年末年始はまったりサブカルはいかがでしょうか。
ちなみに番組を元に書籍化もされてます!


NHK ニッポン戦後サブカルチャー史

NHK ニッポン戦後サブカルチャー史

サインをいただきました。

さて、私が出演する回は……

  • 12月30日(火)※29日深夜

Eテレ 午前1時40分 放送
第1回「サブカルチャーはいつ始まったか? 戦後〜50年代」

  • 1月2日(金)※1日深夜

Eテレ 午前1時35分 放送
第6回「What's YMO〜テクノとファッションの時代〜 80年代(1)」




Eテレ 午前2時29分 放送
第7回「「おいしい生活」って何?〜広告文化と原宿・渋谷物語〜 80年代(2)」



  • 1月4日(日)※3日深夜

Eテレ 午前1時35分 放送
第10回「サブカルチャーはどこから来て どこへ行くのか〜ゼロ年代〜現在」




お見逃しなく!!

大人っぽい女の子は損だし女の子はばかにされる

近頃の子供はませている、今どきは違う、世も末だという、ホットトピックありますね?
私は元女児で、女児時代のことを思い出しつつ語るので、あえて対象を女児に限定します。


例えば、少女漫画だったり……
一部のメディアに登場する子供だったり……


  • 小学生時代

私が小学6年生の夏休み。笑っていいとも!内で、大人っぽい小学生選手権があり、小学生には見えない外見の子供たちが登場していました。
当時流行のレッグウォーマーを着けた女の子が、この格好で普通に学校に行きますと言っていて、「すごいねえ」と言われていました。
10年以上前です。

私は当時、子供服を着ていませんでした。身長は160あって、主にレディースのお下がり。新しいものはユニクロや無印、シンプルなアイテム。当時のファッションは、結構気に入っていました。私服ではまず小学生に見られたことがありませんでした。
無理に背伸びする子供ではありませんでしたが、だからこそ、TVで見た「すごいねえ」が、なんか嫌な気持ちでした。彼女も背が高く、レッグウォーマーはむしろティーンらしくて似合っていました。彼女は彼女の家庭と学校で許される範囲で、おしゃれをしているだけなのに、「すごいねえ」の言葉の裏に、色んなものがあるような気がしました。
「私が子供の頃は……」「すごい時代だね」
彼女たちをテレビに出したのは大人なのに、何を言っているのかと思いました。

ちょうどいわゆるナルミヤブランドが流行した頃です。
『高級子供服が流行』『いまどきの子供はおしゃれ』と、テレビで流れていました。着ている友達も多かったです。
服を作ったのは大人で、着せているのも大人なのに、子供が変容していると言いたげな論調は、不思議でした。
今の時代から見ると、十分子供らしいデザインの服です。どう子供らしからぬのか、わからないくらい……

  • 中学生時代

私は子供らしく、大人っぽい格好がしたいと思っていました。
ただ、当時着ていた服は、かなりシンプルな服で、派手ではありませんでした。12歳の誕生日プレゼントに頼み込んで買ってもらった本革の乗馬ブーツが大事なアイテムでした。
日常で化粧する場面はありませんでした。それでも、大人扱いされ、嫌な思いをすることはありました。

インターネットでは、性に奔放な少女漫画が面白おかしく取り上げられていましたが、まったく他人事だと思っていたので、面白おかしく見ていました。当時読んでいた青年漫画のほうが性描写は過激だったので、ただのシチュエーションの可笑しさに笑っていました。これも描いたのは少女ではないですね。


  • 高校生時代

もう、小学生女児のファッションが話題になることが少なかったと思いますが、そこで新たな(わたしにとっての)女児問題が湧き上がりました。

「女子高生のなりたい職業のナンバー1はキャバクラ嬢である」
という報道。

単にファッションがおませな女児ですら、なんだか嫌な空気をまとっていたのに、
直接的に、性的な存在として世も末だと言われました。
テレビに新聞……

一時期ならまだしも、いまもこの「デマ」は根強く、「女子高生のなりたい職業はキャバクラ嬢」という言葉は枕詞になっています。

これです!!!
GENERATION Z
この調査が元になっています。
しかし、枕詞にこの調査の名前、調査者の名前が載っているものは(特に最近になると)見たことがありません。

 マーケティング関連の質問への回答以外で最も注目されるのは「なりたい職業」である。これは、こちらで列挙した30ほどの職業から「なりたい職業、してみたい仕事」を複数回答で選んでもらったものである。

 結果、女子では多い順に、歌手・ミュージシャン、音楽関係、雑貨屋、パティシエ、お菓子屋さん、パン屋さん、ネールアーチスト、カフェ店員、美容師、保育士、そしてキャバクラ嬢・ホステスという結果が出た。なんと女子全体の22%、高校生の20%、大学生の21%、正社員の33%がキャバクラ嬢になりたい、キャバクラ嬢をしてみたいと答えているのだ。

ジェネレーションZとは? バブル崩壊後に育った平成世代 - 人間は死んでもまた生き返ると信じる者が半数近い 日経トレンディネット

(元調査の質は置いといて)なぜこれが、「女子高生のなりたい職業のナンバー1はキャバクラ嬢」に変質したのでしょう。
元調査ですら、11位です。
複数回答で「してみたい仕事」も含めて、女子全体の2割。

マーケティング業界、マーケティング本というものは偏向しているものだけど、(今のマイルドヤンキー流行だって、ねえ)「女子高生がキャバクラ嬢になりたがっている」だけここまで生き残って、変質し語り継がれているのは、インパクトもさることながら、そういう結果に喜ぶ人が多かったからでは?と邪推してしまいます。

水商売をする女、水商売をしたがる女、下心を弄び簡単に金を得る女、女らしい女、馬鹿な若い女らしい若い女、軽蔑に気づかない愚かな女

女子高生をばかにするのにピッタリです。更に水商売もばかにできます。
清廉潔白なはずの女子高生が清廉潔白でないという話はそそるのかなあと思いました。

この「女子高生キャバ嬢デマ」と「近頃のませた女児やばい」問題は、つながっているのではないかと思ったという話です。



見た目が大人っぽいと、得することより損することが多いと思います。
人より早く、「子供」から、「魔性の女」枠に入れられてしまいますからね。

そういう枠に入れてしまう大人こそ、自分が何を子供に投影しているのか、考えてみたらいいのになと思います。


女子高生の裏社会 「関係性の貧困」に生きる少女たち (光文社新書)

女子高生の裏社会 「関係性の貧困」に生きる少女たち (光文社新書)

いよいよ!PKD酒場のイベントは12/5です!

いよいよ!
早川書房1階「PKD酒場」 12月5日(金)19時~21時
トークの後、チェキ会(&サイン&物販)も開催します! PKDTシャツを着用予定です。

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強力わかもともあるよ!

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こんなものもあります!

映画『ブレードランナー』っぽい雰囲気です。

詳しくは……

早川書房1階「カフェ・クリスティ」の期間限定企画「PKD酒場」にて12月5日(金)に翻訳家、評論家の大森望氏と、アイドル、ライターの西田藍さんによるトークショーを行ないます。入場は無料。ただし「PKD酒場」でフード&ドリンクセット(2,000円)をご注文願います。

日時:12月5日(金)19時~21時

場所:早川書房1階「カフェクリスティ」(東京都千代田区神田多町2-2 tel:03-3258-3800)

申込み:Eメールにて受け付けます。アドレスは「早川書房お客様係」(customer@hayakawa-online.co.jp)。件名を「PKD酒場トークショー参加申し込み」として、お名前と電話番号をお知らせください。先着40名様までの限定企画です。お早めにご応募ください。

※トークショー当日「PKD酒場」は16時~18時までの営業となります。トークショーに参加されるお客様にも、会場設営のため、19時までいったんご退席いただくことになりますのでご了承ください。

ハヤカワ・オンライン |

ブレードランナー ファイナル・カット 製作25周年記念エディション [Blu-ray]

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映画『インターステラー』を観たよ。

良い話だった。
予告の「感動の親子愛」というあおりだけなら絶対見に行かなかっただろう。予告編も知らず、宮沢章夫さんにすすめられたので見に行った。私は長い映画が嫌いだが、この映画は長いのに、長さを全く感じなかった。古き良きハードSFという感じで楽しかった。
ロボットが最高だった。私の大好きなロボットがそこにいた。
こういうロボットがもっと増えて欲しい。本当に最高だった。

劇的な環境変化によって、地球の寿命は尽きかけていた。生きて帰れるか分からない、重大な使命を担う壮大な旅に選ばれたのは、まだ幼い子供を持つ元エンジニアの男と数少ないクルーのみ。彼らは、居住可能な新たな惑星を探す為、前人未到の未開の地へと旅立つ。人類の限界を超える不可能にも思える史上最大のミッション。果たして彼らは、自らの使命を全うし、愛する家族の元へと生還することが出来るのか!?

以降、結末に触れます。
でもストーリーの説明はほぼしていません。
支離滅裂な感想です。

続きを読む

受験は情報戦 「中学なんていらない 不登校の娘が高校に合格するまで」

タイトルとあんまり関係ないです。

制服好きでおなじみの青木光恵さんの最新作コミックエッセイ、「中学なんていらない」を読みました。

コミックエッセイ劇場で大反響を呼んだ
web連載、遂に書籍化!!

中2の夏、突然娘が中学校へ行けなくなった…。
原因はいじめ。
学校と話し合いを重ねるも娘の状況は悪化する一方で、
ついには完全不登校に。

しかしそんな娘も中3に。
不登校のため内申点がもらえず成績はオール1、
進学への望みも絶たれてしまうかもしれない。
そんな逆境のなか、家族はひとつになって
娘の将来のために全力を尽くそうと決意する。

ある不登校の少女が笑顔で高校合格を果たすまでを
描いた実録コミックエッセイです。

いじめにより中学を不登校になった娘さんが、高校に合格するまでの家族一丸の奮闘記です。
娘(ちゅんこ)さんは、いじめの前から、どうも学校に合わず体調不良になるのですが、
ある生徒によるいじめによって、完全に学校に行けなくなります。

↑ただいまリバイバル更新中!



私は、中学時代、プチ不登校でした。
一番長かったのは、2年生の冬。2月丸々休みました。ほぼ、寝ていました。
なぜまた通えたかというと、いじめ等大きな要因がなかったこと(まあ多少のトラブルはありましたが)、友人がいたこと、
勉強が遅れる焦り、そして「3年からきちんと出席しないと公立高校に合格できない」というプレッシャーからです。今思うと、このとききちんと対処していれば、高校を辞めずに済んだのではないかと思います。「学校が合わない」という気持ちを抑え、全てを先送りにしてしまいました。


ちゅんこさんの体調不良は、経験したことない人からみると、さぼってる?と思われかねないものかもしれません。しかし、私はすごく共感しました。それに、寝ていても、なにも楽しくないのです。
学校で、つらい思いをするよりはまし。でも、家で寝ているより、普通に学校に行って、普通に生活するほうが、いいのです。寝込んでいる状態は余暇ではありません。
高校に進学しようと決め、家族はちゅんこさんが通える塾を探し、ちゅんこさんは通い始めます。
塾に通う。すごく勇気がいったと思います。
人に会う、喋る、勉強する、離れれば離れるほど、再開するのは苦しいのです。

良い塾に当って、行ける高校を探し、無事本命公立とすべり止め私立を受験、両方合格することが出来ました。塾に行かなかったら、全日制の公立高校は受験すらできなかったでしょう。
青木さんが、塾を探しに探した結果、ちゅんこさんの進路が開けたのです。
ちゅんこさんの担任は、だれでも入れる通信制の高校を唯一の選択肢として出します。内申がまったくないから、と。
そもそも私立高校は基本的に内申を重視しないし、(ちゅんこさんにとってベストかはともかく)名前さえ書ければ入れる全日制課程の高校だってあるはずのに、あんまりな仕打ちです。
ここで、担任の言葉を疑わず受け入れたら、ちゅんこさんの「(全日制課程の)高校に通いたい」というせっかくの目標は潰れてしまっていたでしょう。

しかも、内申がないからとにかくテストを、ということでテストを受けさせたくせにオール1にするなんてなんなんだ…(私は休んだ教科はオール3になりました。体育は出てなかったから2)
昔の相対評価なら仕方ないけど、今は絶対評価なんだからもっとつけようがあったじゃん!
学校側の対応がとにかくひどいです。もうちょっとフォローしてくれる教師もいますよ……でも、そういう教師にあたるかどうかは、運!

例えば不登校、学力不足、金銭面、
色々ある中、生徒にあった高校選びをしてくれるのは学校ではなく(よい)塾です。
こういうとき、学校はあまり信用しないほうがいいです。もちろん、いい先生もいますが、いい先生がいるかどうかは運なので……
例えば、成績が良かったら、授業料が無料どころか、給付金が貰える私学もあります。
こういった情報は学校では得られませんでした。
義務教育は格安で教育を受けられます。私は最終学歴は義務教育なので、いつも義務教育に感謝しています。しかし、その先の面倒まで見てくれるわけではありません。
とりあえず、高校に入れる。

ちなみに高校でも、手続きなど学校を信用したぱっかりに困ったことがあったのですが、相手にとっては何千分の一で、でもこっちはこれからに大きく影響がある。疑ってかかるぐらいがちょうどいいなあと思いました。
それでも私はちゃんと対応してもらえたほうです。学校のレベルにしては中退する子が多い学年でしたが、私の待遇はよいほうだったそうです。(でも差があるのもどうかなって思った)辞めるのはもったいないと言われました。お世話になった人には感謝しています。

そもそもなんでとりあえず高校入れるのか?ということにかんしてはこちらの書籍が詳しいです。

〈高卒当然社会〉の戦後史

〈高卒当然社会〉の戦後史

雑誌ダ・ヴィンチ12月号の「7人のブックウォッチャー」に短評を載せておりますので、よかったらこちらもご覧ください。


家族の葛藤と、どうしてもできてしまう家の中のよどんだ空気、どこの家庭でも起こりえることです。
目標ができてからの頑張り、不登校になっても道はある!と元気づけられる本です。
高校に入ったとしても通えるのか?っていう不安……
エピローグも、リアルで、リアルだからこそ励まされます。

そして……家族の応援を得られるのが難しい、と思っている不登校や中退や中卒の人も多いと思うんだよね……
全日制課程の高校に自力で通うのはまあ、無理だけど、他にも高卒資格を得る道はたくさんあるので、
あのときは苦しかったなーでもなんとかなったって思えるときがくるといいなと思っています。私自身もね。

道重さゆみは伝説になりました

どうしようまじ辛い!!!!
(レポじゃないです、すいません、あとかなり口語)
私ですね、余裕だったんです、このときまでは。

西田藍(以下、西田):泣くのかなあ。卒業が発表されて以来いろいろなことを考えましたが、今までありがとう、という慈愛の気持ちになりつつあります。もちろん、将来もアイドルとして存在してほしいんです。でももし、完全に引退したとしても私は受け入れると思います。さゆが決めたことなら、何でも受け入れられる感じになりました。

文学アイドル「道重さゆみはモー娘。卒業で伝説になります」│NEWSポストセブン

お前、何いってんの????

実際私は、泣いてました。
中盤から泣いていました。
いなくならないで……お願いいなくならないで……やだよおおおお!と、涙が溢れるというより、顔をくしゃくしゃにさせる方の、そういう可愛くない泣き方をしていました。

私は物販に並んでたので、チキブン後半からの参戦で、駆け込んでうおおおおお!!と盛り上がって、サイリウムをぶん回していたんですね。
前半のな、これな、超いいよね、私はWhat is LOVE?がすごい好きなのでこのときまでは、いえー!うおー!って感じだったんですよ。(っていうかそもそも私の声質的にうおーって濃い声だせねえじゃんって気付いたけど)
でさあ、ラララのピピピでもうだめだってなって、ああもう最後なんだって思って、辛くなって、
それね、大好きな、好きだな君ががね、あっこれくるぞっと思ってきたときにうわーってなって、
この曲はわたしは振りコピ女になるので楽しんで、(後半は双眼鏡女になったけど)

で、双眼鏡越しに脚を傷めたさゆみてめっちゃ焦って辛くなったんだけどね、ここでね、泣いたらいかんと思ってね、もっともっと楽しんで盛り上がらないかんと思ったんですよ。
さゆ根性で立っとったやん?もうね、全部完璧だったの。
かわいさも最高でね、ほんっとかわいいし、美しいし、そんな人にこうやって楽しませてもらえるの奇跡やなって思ってさ、でも最後なんよ!?!? 結構在宅やったんで後悔しました。もっと会いに行けばよかったって。でも最後頑張ってここに来てよかったなあと思った、思ったけど、やっぱり辛い…

さゆが、モーニング娘。が大好きっていっぱい言っとるけど、昔、オーデの情報を見てた当時、私は、オーデの条件の「モーニング娘。を好きなこと」に、じゃあ私はありえんねーって思いよったんよ。全然興味なかった。そんなときもずっとさゆはモーニング娘。が大好きで、私はなんで今どき女の子でモーニング娘。好きな人がいるんやろって思ってたくらいで、今は私はさゆがいなくなることが本当に悲しくて、悲しくて、悲しくて、でも、さゆのおかげで私はモーニング娘。が好きになったし、モーニング娘。のよさを教えてもらったし、さゆがリーダーのモーニング娘。が本当に大好きになったよって、大好きだよって、大好きだよって……伝えなって思って、どんなさゆも好きだし、今のさゆは最高だから、ほんと最高だからって……
いかん、全然書けんし、もう辛い。
人のレポ見るのも辛いし、ニュースとかの写真もみきらん。見たら悲しくてもうだめだ。







私も大好きだよおおお!!!!!!!
ちょっと無理だわ……もうちょっと冷却期間が必要だわ……

きっかけ 2

春でした。

私立中学の存在は小学校の時に知っていました。
この「知っていた」という感覚は、中学受験が身の回りにない小学生の、自然な反応だと思います。
私はまだ九州の都心部にいたので、受験をする友人は多く、冬には女子校の名前を色々聞き始めました。しかし、身近なものではありませんでした。そもそも、自分が行く公立中学についても情報を得ていませんでした。制服のデザインを知ったのも制服を準備してからです。

私立中学の仕事がきたとき、嬉しかったです。写真を撮られる仕事は好きでした。
西鉄電車に乗って、撮影場所へ向かいました。街中に住んでいたので、電車には滅多に乗りません。
電車にはたくさんの学生がいます。たくさんの制服を着た学生がいますが、まだ、私の目には同じように見えていました。
車窓には、マンションと、一戸建てがたくさん見えます。一戸建てが並ぶようになります。
一戸建てが並ぶ町並みは、得意ではありませんでした。
たくさんのまともなひとたちがまともに生活を営んでいるという圧を感じるからです。
それより更に進み、田んぼや畑が多くなり、山並みが見えるようになると落ち着きます。
しかし数駅ではそこに到達できません。

住宅街の中のスタジオはよくある住宅街の中のスタジオと同じようにおしゃれな建物で、同年代の女の子がいました。更に少し年上の女の子もいました。高校の撮影も行うようです。

かわいい。
かわいい、といって衣装である制服を着ます。
当時はミニスカートにあこがれていたので、高校のほうがいいなと思っていました。(当時その高校はひざ上丈と紺のハイソックスが許されていました。今は少し厳しくなりました)
それでも、赤のラインとリボン、白地の上衣は、輝いていました。
少女漫画のようだと思いました。
ああいうのは、漫画だけだと思っていたんです。でも、現実に可愛い制服は存在していると知りました。私は自分の顔が不満でしたが、(丸いし前髪もないし眉は学校のせいで太い)この制服だったらさぞ毎日が楽しかろうと思いました。

そうです(なにがや)
私の制服へのあこがれは、幻想です。
ありもしないもう一つの、自分の人生を夢想するすべです。
住宅街にある、すこしだけ大きめの戸建て、2階の7畳の洋室が私の部屋です。
毎朝、可愛らしい制服を着て、電車かバスに乗って学校に行きます。
(福岡はバス網が非常に発達しています)
実際、選べるなら選ぶ生活は違います。住宅街ではなく、都心部に住みたいですし、
可愛い制服よりも、自分がすごく勉強ができてそういう学校に通っている姿を想像するほうがうっとりはします。

でも少女漫画にでてくるのは前者ですし、「普通」っぽい感じがします。実際は上位層ですが、なぜか普通だと思ってしまいます。
さぞ毎日が楽しかろうと思いました。

この経験をきっかけに制服について調べるようになるのですが、当時こんなことを考えていたわけではありません。

最初は、
かわいかー! 
という感じでした。

その秋に、ちょっと学校からはやんちゃに見られる、自由に着こなす層、
着崩す層の存在を知る、ある経験がありました。
写真が発掘できたら、そのときのことも書きます。