iCharlotteblueの備忘録(新)

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きっかけ 2

春でした。

私立中学の存在は小学校の時に知っていました。
この「知っていた」という感覚は、中学受験が身の回りにない小学生の、自然な反応だと思います。
私はまだ九州の都心部にいたので、受験をする友人は多く、冬には女子校の名前を色々聞き始めました。しかし、身近なものではありませんでした。そもそも、自分が行く公立中学についても情報を得ていませんでした。制服のデザインを知ったのも制服を準備してからです。

私立中学の仕事がきたとき、嬉しかったです。写真を撮られる仕事は好きでした。
西鉄電車に乗って、撮影場所へ向かいました。街中に住んでいたので、電車には滅多に乗りません。
電車にはたくさんの学生がいます。たくさんの制服を着た学生がいますが、まだ、私の目には同じように見えていました。
車窓には、マンションと、一戸建てがたくさん見えます。一戸建てが並ぶようになります。
一戸建てが並ぶ町並みは、得意ではありませんでした。
たくさんのまともなひとたちがまともに生活を営んでいるという圧を感じるからです。
それより更に進み、田んぼや畑が多くなり、山並みが見えるようになると落ち着きます。
しかし数駅ではそこに到達できません。

住宅街の中のスタジオはよくある住宅街の中のスタジオと同じようにおしゃれな建物で、同年代の女の子がいました。更に少し年上の女の子もいました。高校の撮影も行うようです。

かわいい。
かわいい、といって衣装である制服を着ます。
当時はミニスカートにあこがれていたので、高校のほうがいいなと思っていました。(当時その高校はひざ上丈と紺のハイソックスが許されていました。今は少し厳しくなりました)
それでも、赤のラインとリボン、白地の上衣は、輝いていました。
少女漫画のようだと思いました。
ああいうのは、漫画だけだと思っていたんです。でも、現実に可愛い制服は存在していると知りました。私は自分の顔が不満でしたが、(丸いし前髪もないし眉は学校のせいで太い)この制服だったらさぞ毎日が楽しかろうと思いました。

そうです(なにがや)
私の制服へのあこがれは、幻想です。
ありもしないもう一つの、自分の人生を夢想するすべです。
住宅街にある、すこしだけ大きめの戸建て、2階の7畳の洋室が私の部屋です。
毎朝、可愛らしい制服を着て、電車かバスに乗って学校に行きます。
(福岡はバス網が非常に発達しています)
実際、選べるなら選ぶ生活は違います。住宅街ではなく、都心部に住みたいですし、
可愛い制服よりも、自分がすごく勉強ができてそういう学校に通っている姿を想像するほうがうっとりはします。

でも少女漫画にでてくるのは前者ですし、「普通」っぽい感じがします。実際は上位層ですが、なぜか普通だと思ってしまいます。
さぞ毎日が楽しかろうと思いました。

この経験をきっかけに制服について調べるようになるのですが、当時こんなことを考えていたわけではありません。

最初は、
かわいかー! 
という感じでした。

その秋に、ちょっと学校からはやんちゃに見られる、自由に着こなす層、
着崩す層の存在を知る、ある経験がありました。
写真が発掘できたら、そのときのことも書きます。