吾妻ひでおの少女漫画『翔べ翔べドンキー』は女の子がすきな女の子がいっぱい!
女の子の心理はむつかしい
第一非論理的だ
私に描けるわけがない
だからドンちゃんは
男の想像による女の子で
これはどちらかというと
男の人むきにかいた
しょーじょ漫画なのです
と、そでに吾妻先生の言葉がある「しょーじょ漫画」
『翔べ翔べドンキー』
私の好きな吾妻作品の中の一つです。
男の人向き? そんなことない。
女の子から見ても魅力的なキャラクターがたくさん出てくるのです。
表紙に大きくいるのが主人公の太陽夕子。
どんくさいから、ドンちゃん、とあだ名をつけられたおっとりとした女の子です。中学一年生。
走るのも歩くのも話すのも、勉強だってマイペース。マイペースに中学の勉強は全部終えてるのに、文字を書くのが遅すぎてテストの成績が悪いのです。
左にいる、ライバルで親友の、有栖蘭。容姿端麗文武両道のお嬢様。
夕子にドンちゃんとあだ名をつけた彼女は、自分を引き立たせるために、ドンちゃんと友達になりますが、好きな先輩は不思議なドンちゃんに興味津々。中々うまくいきません。
自信家な彼女が次第に……?
蘭の打算からはじまったふたりの友情が少しずつ本物になっていくところも見所です。
家の中にいるのはドンちゃんの家族。
ドンちゃんはおっとりしたパパ似、妹の朝子はママに似たのか、年齢以上のしっかり者です。
家族愛エピソードも。
さてこれは「しょーじょ漫画」
気になる先輩、男の子からもらったはじめてのラブレター、親友との三角関係、四角関係、体育祭に文化祭、少女の中学校生活が綴られていくわけですが、ひと味もふた味も違うのです。
なんでもできる妹と、だめな自分を比較して落ち込む。小さい頃はいじめられてたのに、男の子の態度の変わりように戸惑う。自分の才能に自信はある。でも、ドンちゃんのような天然で愛される子に嫉妬する。それでも、好きだし、助け合う。
そんな、中学生の女の子たちの複雑な気持ちが、ギャグの中に可愛く描かれているのです。女の子から見ても、じゅうぶん共感できるんです。
特に好きなのが、ドンちゃんと蘭と仲良しな、愉快なクラスメイトたち。
見た目も行動も、「女の子らしい女の子」なんていません!ちょっと下品なことも言うし、食い気満点だし、欲望に忠実だし! リアルな台詞ではないけれど、女の子同士のあけすけな会話の雰囲気って、こんな感じだったよね。と懐かしく思えるほど。
全9話と短いお話ですが、ほんわかあったかい気持ちになれる、「しょーじょ漫画」です。
http://i-charlotteblue.tumblr.com/post/70069737023